タオルケットをもう一度

久々にツクール作品を遊びたくて手に取った。
タオルケットをもう一度 唐揚タンポポ
ツクール2000製 ほのぼのダーク 現代SF RPG


な、んで、コレを選んでしまったんだろう。
激しく後悔はしてないけど、自分を疑う。
ようするに、変なタイトルに惹かれたって所だろう。
しかし、タイトルと内容はほとんど関係ない。


先ほども書いたが、非常にこれが、ほのぼのダーク。
最初ほのぼの、後ダークな展開は、虚構に咲くユリに近いものがある。
しかしあれよりも、もっと絶望、絶望な展開だ。
そしてグロドット絵がすごい。
もうグチャグチャだよ、RTPのようなサイズなのにすごいグロい。怖い。
グロドット好きには超おススメ。


このゲーム、ストーリーは結構しっかりしてるし、
「心の中」などのおまけシステムも面白い。
けど・・・何かやけくそっぽい。
まず名前。
タイトルもそうなんだけど、
ヒロインの名前が「ぱりぱりうめ」ちゃん。
長いし、なんだこの名前。
ホラーな展開の中にちりばめられているやけくそのようなネタ。
無意味なくらい取れるアイテム。(ゴミとかが大量に取れる上、たんすとかいすまで取れる)
それが余計に不安定さを掻き立てて、居心地の悪さを増幅している。


このゲームは何か不思議だった。
世界で大変なことが起きているのに、
最後まで、「ある少女の人生」で終わってしまっている。
いろんなドラマがあった。
いろんな事件に巻き込まれてきた、でも、
大変なことが起こってる世界では、何もできないし、
そんなことより自分の苦しみのほうが重要で。
結局世界がどうなったのか、どうなるのかも知らないまま、終わる。
プレイヤーには妙な空しさだけが残る。


フと考えると、この世界には、他にヒーローがいる気がしてくる。
この世界を救ってくれるか、
世界の終わりを見届けるヒーローが、他にいるんじゃなかろうか。



勇者が、村娘に話しかける
「この村の英雄が、魔物の住む山に出かけました。
 いまだ帰ってきません。彼は無事でしょうか・・・」
そして魔物の住む山の奥で、勇者は英雄のなきがらを見つける。
その手には重要アイテム、金の鍵が握られている。



そこで死んだ村の英雄。
英雄と呼ばれるまでに、どれだけのドラマをこなしてきただろう。
けれどそれが、勇者を操るプレイヤーに語られることはない。


久々のツクールプレイは、
そんな一名脇役の人生を、垣間見たような気にさせてくれたのだ。