駅-オルゴール屋駅-

続いて駅レビューしてみる。
オルゴール屋駅はかなり好きだ。
なぜなら、とても怖い。
なんかすげー怖い。
音楽とか、ストーリーとか、会話とか。


作者のオルゴール屋さんの他作品は、
以前書いた藤枝探偵事務所と、いまだ書いてないパライソを
プレイしたが・・・
やはり、「駅」が一番だと思う。
怖くて主人公にとって不快なはずなのに、
いつまでもそこにいたくなる世界。


ゲームで、しかもRPGツクールのグラフィックで
こんなに怖い思いができるって感動した。
すごく好きな駅だ。


そして、寂しくなる。
「駅」の主人公はRTPの少年グラフィック。
その世界に、彼の家はない。
その世界に、友人も、家族もいない。


オルゴール屋駅にいる、
孤独、どこか寂しげなおじさんたち。
家なんて必要がないって言う、
群れても心は寂しいから、心なんていらないって言う。
ボクには家がない。
ボクには群れる相手がいない。
だらりと無気力に座るおじさんを、
黄色い合羽を着た、小さな子供が見つめている。
おなじ、なの?


ここの町の人たちは、見た目より優しくて
皆逃げろといってくれる。
生きたいなら、ここにいるべきでないって。
でもボクには、待っている人はいない。


この駅でも、ほかの駅でもそう。
ただ縋るように、事件を追いかけてしまう。
そこにボクのいる意味が、あるような気がして。
どんな人と知り合っても、なぜか冷たい壁を感じる。
本当は、あたたかい腕の中に抱きしめられたい。
ぼうや、と心から呼んでほしい。
秋里駅で兄王子の布団に入り込んだのもそのせいで。
兄王子に男か女か聞かれたとき「女です」って答えていたら、
女の子になれたのかなぁ。
いや、そんなこたぁどうでもいい。


だからな、
寂しいんだよ、駅の主人公は。