おいでよどうぶつの森 ぼくはどりとん

初めから村にいたのは、
強面のダンベルさんに、お姉さまなシルエットさん、
危険な香りのアンチョビくんだ。


深夜のダンベルさんや、
突然セーラーふくをくれたシルエットさんにもびっくりしたが、
アンチョビくんが、コレがもう、ある意味こわい。


初対面なのに、突然あだ名をつけやがる。
しかも、本名と一文字も合ってない
「どりとん」などと。
どりとんだぞ、どりとん!
なんだそれ、どりとんって! ひらがなだし!
ぜったい、外見で決め付けやがったにちげえねえ。
だって顔がどりとんっぽいもん。


相当似合っていたのか、
あっという間にこのあだ名は村に広まった。
そのうち新しいあだ名もできたが、そっちは広まらず。
いまだにどりとんのまま、誰も本名で呼んでくれない
・・・まあ、いいけどさ。


それだけじゃない、アンチョビくん。
会ってまだ二日目くらいだというのに、
「いいにおいだねぇ〜」とか言ってくっついてきやがる。
そんなにっ、ぼくはっ、あまいにおいがしますかっ!


でもなんだか、気持ち悪いやつだけどほっとけなくて。
なんとなく、お気に入りになっていて・・・
親友だよねぇ〜とか言って用事を押し付けられても怒れなくて・・・


そんな彼も引越ししてしまうようだ。
まだしゃしんももらってないのに。
ぜんぜん仲良くしてたつもりのなかったゴンザレスさえ
しゃしんをくれたというのに。
なんか振り回されっぱなしで終わった気がする・・・
しゃくだから引き止めちまおうかな。